小川洋子「ことり」あらすじ

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鳥籠を手に孤独死した老人は、かつて洋館の

ゲストハウスの管理人をしながら幼稚園の

小鳥の世話をしていた「小鳥の小父(おじ)さん」。



小父さんの亡き兄は、弟としか意思疎通できず、

その会話は小鳥のさえずり「ポーポー語」だった。


親や他人とは会話ができないけれど、小鳥のさえずりはよく理解する兄、

そして彼の言葉をただ一人世の中でわかるのは弟だけだ。


小鳥たちは兄弟の前で、競って歌を披露し、

息継ぎを惜しむくらいに、一所懸命歌った。


兄はあらゆる医療的な試みにもかかわらず、人間の言葉を話せない。


青空薬局で棒つきキャンディーを買って、

その包み紙で小鳥ブローチをつくって過ごす。



やがて両親は死に、兄は幼稚園の鳥小屋を見学しながら、

そのさえずりを聴く。


弟は働きながら、夜はラジオに耳を傾ける。


静かで、温かな二人の生活が続いた。小さな、ひたむきな幸せ……。


そして時は過ぎゆき、兄は亡くなり、

弟は図書館司書との淡い恋、鈴虫を小箱に入れて持ち歩く老人、

文鳥の耳飾りの少女と出会いながら、「小鳥の小父さん」になってゆく。


世の片隅で、小鳥たちの声だけに耳を澄ます

兄弟のつつしみ深い一生が、やさしくせつない会心作。

兄の思い出を通して小鳥と関わる主人公の静かな生活に

魂の自由を描く小説です。

ことり [ 小川洋子 ]







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